デンマーク ワールドセーリング・平田恵美選手レポート

●沖縄県 宮古島 平田恵美選手のレポートです。

応援・ご支援ありがとうございました。

行く前から終わるまでのことで、感じたことや気付いたこと、向こうでの現状をなるべく時系列でレポートします。。

●まず、選手が知るべき情報とその収集から理解することについて。

行く前に知っておきたい情報を集めるのが、どこをみてどこから収集するのかわからなかったし、読んでも理解するのに苦労しました。

事前にワールドセーリングのHPやオーフスの大会オフィシャルサイトも目を通しました。また唐門さんがシェアしてくれる情報や入来理事(KBFJ)からの情報をチェックしましたが、英語での情報把握に大変苦労しました。

日常会話の英語はできる私でも、ルールやセーリング用語は専門的でわかりにくいので解読がほとんどできず。もともとセーリングを勉強してきた人には普通かもしれない事が、カイトボードのみで競技を始めた人間には日本語でも理解が難しいものでした。

私はウインドサーフィンのクラスに出場する方から情報を頂いたり、ルールに詳しい人を紹介してもらったり、JSAFの方に直接聞いたり、なんとか自分で最低限の知っておくべき情報を理解しようと試みたつもりです。

現地に行ってからも、毎日知るべき変更や日々のレース時間や、やるかどうかの判断などが全てWebにあがるのでチェックしなければならない。
オーフスJapanチームのLINEグループで、毎朝のヘッドミーティングの内容を送って頂いたり、そして公式サイトのノーティスボードをチェックのが基本。

その膨大な情報の中からカイトに必要なことを選別する。
また、これは後から聞いたが、IKAのFacebookページ、フォーミュラカイトが情報が一番早い。

上記のように、本当にこういった事に大きな労力と時間を使いました。

直前のレース情報は選手ももちろん自分で確認が必要と思うが、総じてこれらに関するサポートがないことに、とても不便を感じた。

選手には練習や道具のメンテや心身を整えることに集中させ、こういった情報などは選手を輩出する側の誰かが、わかりやすく必要なことだけを集め、日本語でまとめて伝えてくれると、だいぶ選手の負担が減るはずです。

知らないとかわからないということが、 私にとっては大きなストレスでしたし、情報を取りこぼすことは致命的なミスになりますから。

レースのコースに関しては出発時、8/3の飛行機内で、カイトボードのレースコースが直前なのに変わる事がWebで発表されたのを知りました。コース図は暗記もしましたが、海上で理解が早いようにシール作ってボードに貼り付ける準備をしてたのに意味なし。

5コース全く違う候補が発表されて、ついてから慌てて覚えたりシール作りました。
(その中でもコレになるんじゃないか、と前日に言われてたコースではないコースが、実際に当日に発表となりました。)

また、 男女2グループ分けされ時間も1時間ずれてたフリート予定も、直前に変更され1つになった為、男女一緒かもと思っていたが、発表と実際が違って行ってみないとわからない。実際は女子だけのグループでのレースになりました。

現地入り直前にレジストの場所、スタート合図も変わり、セーリング団体の予定は形だけで、IKAの運営で直前に全てひっくり返った感じだった。

●レジストと計測日

カイトボードエリアに着いたらテントで計測に必要なものと、ビブを配布していました。その後レジスト。現地でルールや決まり事、当日の予定や詳細をわかる人はIKAのブルーノだけの模様。
掲示板がオフィスにあり、張り紙で連絡事項が張られた。(グループ分け関連事項等。)
計測も予約がいるなどの決まりがあったが、カイトボードに関しては着いて準備できたもん順だった。計測は組み立て済みボード、カイトにシール貼って。ライジャケやバーとかは見ず。書くのとWebの両方で。道具の型名やシリアルナンバー、年式をメモしていかないとダメです!

計測日に乗りたかったけど、コーチボートある人しか出れない状況(オフで)でした。
ランチエリア狭い。岩が両脇にあり!特に戻るのが難しい。

[DAY1]
ガスガス強めのオフショア。
陸で凧が不安定で、ブロー入ると体を持ち上げられ、かと思うとカイトがフニャフニャと落ちそうになる。陸やインサイドが風悪い上、ビーチにも石岩あって危険。
ボード持ってても危なく、ボードかかえた選手がブローで板と自分をとばされて石にたたきつけられた。
私はボードを先に 海に置いたら、凧が不安定で海に出るまで時間少しかかり、ボードが流されてボディドラッグで10分位探した。だいぶ先の船が拾っていて、
受け取ってやっと出艇。 ボードロストの危険があって怖かった。(その間周りにクラゲが多数!ピリピリ痛い!)

この日だけ4グループが2つに分けられ、最初の2グループがスタート予定時刻の30分前位に出艇したが、
その後ずっとコースが定まらず90分位スタートせず海上待機となっていた。

スタートが確認できてから、後半2グループのメンバーも出艇開始。
私も最小サイズの10平米で出るが 個人的にはドオーバーだし体がこわばってたのかまともに乗れず、とにかくスタートしてコースを把握するだけで終わった。
3レースともスタートはしたはずだがDNCにされたり、2周回らなきゃいけないところ、間に合わないから一周でゴールしたら7位になってたり、
私以外も 順位やゴール通過、
スタートの判断を間違えられてたらしい。私には他の女子が2周回った!?と聞かれ正直に回ってないと申告したが、色々チェックが甘いようで、申告したら直るし申告しない人もいたら順位めちゃくちゃなのでは?と思った。

本部艇は大きくわかりやすく、オレンジのスタート旗が両脇に。
本部艇ではAP旗が延期信号で使われ、それが下がってからグループ旗とU旗が上がって4分前→3→2→1→緑旗でゴー!
1分後全ての旗が下がり、延期がなければまた1分後に次のグループの予告が始まる。6分毎に連続で各グループがスタート。
予告信号から3,2,1,GOもわかりやすいが、グループ毎の旗がわかりずらかった。(小さい旗で色が薄くて、見たことある人はわかるらしかったが・・・ 私は2日目から
見分けは順番に見ればつくようになった。)

コースの距離は思ってたより短い、次のマークが見える。
真上ではなくやや斜めに上マークやコース設定。
私は陸と対岸に位置関係を惑わされた。

陸ではL旗(掲示板見ろ)とD旗(出艇してOK)がよくあがる。D旗はコースブイが打たれる前から上げられ、とにかく出たい人は出てもいーよ、という感じ。
これが上がったら20分以降にレース開始となってるが、だいぶ前からあがる。

[DAY2]
2日目は スキッパーミーティングなく、コースやグループ毎の出艇の質問に初日のような説明なく掲示板に書いてある通り、船の指示を見ろ。という厳しめ対応。

風弱く、最初のグループだけが1レース成立し、その後出艇を試みた唐門選手や私含め何人もインサイドで落として流れて・・・その後 4時半まで待機して
全てのレースが中止に。

[DAY3]
本当はレストDayだったが、前日成立しなかったのでレース日に。

ドオンで最大アンダーで出にくかった。
クルーの男の子がボードを持って深いとこまで一緒に行ってくれる事もあるけど、
基本は自分でボディドラッグしてより深くまで。
それでもすぐに浮かせず失敗すると浅い所へ戻り、ウイングが石にガリっと当たる。
(インサイドは浜から足のつく範囲にずっと大きな石がごろごろしている。)

3度目くらいのトライでようやく出艇。
1レース目に間に合って最後尾スタート。
コースは本部船の船体部分にコース名と周の文字が書かれていて、変更なし。
全選手が出て4フリートに分かれてイエロー、ブルー、レッド、ピンクで6分おきに連続でスタート 。私は17平米でジャストな風で普通に乗れて、遅いけどちゃんとコースを回ってゴール。
13分台でゴールしたので、1位が8分でゴールしてたからタイムアウトなのか、DNFに。
2レース目は12分台で1分縮めてゴール。初めて順位がついた。

ただ、上マークへ行く途中のタックで、風下の前の人を避けれず邪魔した感じで、この場合は私がプロテストを受ける行為だったのか心配してたが、プロテストはなかった。

その後2マーク付近で、下位グループの2周目の女子と、
次の男子グループの先頭集団がかぶった。(6分刻みで次のグループがスタートするので、2周め回る時にかぶることがしばしば)
遅い女子がブイ付近で邪魔したのか、男子選手がやたら怒鳴り散らして怖かった。
下位グループ でも最終だった私はそれを横目に通過してゴール。

その後風が落ち、3レースめを待ち時間中に、私は凧を落としてレスキューされ陸へ。

上げ直し、また苦労して出艇→また弱い所で凧が水面に立って落ちてまたレスキュー。
これで3&4レースめはDNC。
レスキュー中にもう1人レスキューに行ったとき、2つのレスキュー船が協力して(1つの船がカイトの水を抜いて広げてくれ、もう1つの船が選手を紐でつなげバックでひっぱり)その選手が陸に戻らずもカイトを上げるやり方をみた。
初めてみて、こういうレスキュー方法もあるのかと驚いた。

陸から私がつぎ出艇する時には風があがりすんなり出れた。
ちょうど5レース目に間に合って、割りといいスタート、ミス少なく10分切る位でゴール!

6レース目はまた風が弱まったから?タイムは12分台に戻ったけど、ゴール。

補足:またスタート直前にブイが打たれてた。
4グループが同時にその辺にいるので、待ってる時間帯も他のカイトに気をつけて乗る。コーチボートある選手は船に腰掛けて休んだり飲み物もらったりしてる。ポートスタートはなかった。スタートどこからともなく集まって1分前に並んでそろそろとスタートラインへ、ゴーでスピードアップ。

見てたら、男子は早い人で7分位?女子も1位の人は7分台半だった。
海には藻がけっこうあり、引っかかってコケることもあった。

[DAY4]
14時半スタートの予定が風なく、吹いてきたと思ったら他の競技にエリアを使われ待たされました。カイトよりそっちが優先と。結局17時から出艇となった。
メディアがついてトラッキング機器も持って出て、放映されるといっていたが・・・

出た時は風はサイドオンで出やすく、17平米ジャスト。
しかし、前の他3フリート待つ間に風弱くなってきて、落としそうになりながらも何とかスタート。

スタートは私も他選手と追走していても、上りのスピードで少しづつ離され、最初のタックでスムーズに行かないとまた離され(タック成功でもその後スムーズに走り出せないとダメ)、上り角度も違うし上位は上マークいくまえに視界から居なくなる。
私の前後1人(下位グループ3人)がだいたいいつも近くでまとまり、特に最下位争いした子と抜きつ抜かれつしてました。その子がジャイブタックを失敗するので、
私が先にゴールする感じ。前の選手にはまだ距離を詰めれない。
で、各グループ1レースづつで雨雲来て終了となり、メディアは追いつかないまま放映なく終わったようです。

[DAY5]
ファイルステージ15時スタートの最終日 。フリート分けが変わり、
ゴールド、シルバー、ピンクが3回レースをして、
ブロンズ、エメラルド1、エメラルド2が、3回レース、それを2回づつという流れに。
ゴールドフリートと女子のピンクフリートだけ、
またトラッキング機器を持たされた 。
弱めだけど安定したクロスオンの風。

1レース目
風が弱くて私はタックとジャイブ失敗すると次に走り出せなくて手間取って、でも他の選手は走ってたので、とにかく微風でも走り出せるとかターンでパワーをロスしない技術が必要だと思った。途中で15分過ぎたのでノーゴールのまま次のスタートへ。

2レース目
スタートラインへ向かう途中、選手と選手の間に陣取ってしまい、チョロチョロスタートで耐えきれず、ボードが水面について凧のテンション緩んで沈、
後ろの選手達に顰蹙をかって、なんとか立て直してスタート。
その後なんとかタイムリミット内でコース回ってもう1人後ろにもいたが、
ゴールにむかう時に後ろ見ず慎重に走ってたら、ゴール5メートル手前でその一人にも抜かされた。

3レース目
やや後ろの下からスタート。風が上がり乗りやすくなってやっとタックも決まるように。なのに上ブイへのアプローチ失敗とかで、時間食ってタイムリミットぎりぎり。

この最初の3レースの最後は風上がり、17平米ジャスト-オーバーっぽくなっていた。
一度帰って待ってる内に弱まった感じだったので、次の3レースにむけて13mラインを15mに。やはり弱くて出にくく、出てもアンダーだったので正解。
再出艇のときボディドラッグで深いとこまで出たり、スタートできず戻されてまたウイングが石にカツカツと当たってしまう。
しかも出る人と帰ってくかる人が、狭い出艇エリアに重なり、風フニャフニャで出るに出れずそうとう苦戦。

最後の3レースくらいは、スタートから上マーク目指す位まで上位選手も見えてた。でも上り角度やスピードが全然違う。
右はマシだけど、左へ進む時上りが私は弱い??
タックでみんなのように浮かしてやるのと、私の板着するタックだと差がでる。
下りも早い選手はすごく早くて、2周目で周回遅れでもどんどん抜かされた。

4レース目は風弱かったけど、あまりミスなかった?のか後ろいつもは抜けない選手に追われながらゴールした。

5レース目までの間にAP上がってウエイディング。風が振れてブイ変えた?
上ブイの位置が左にズレて、前の男子グループも女子の半分もポートスタートに!
下りが一度もジャイブせず通過できる角度に下ブイがあった。

6レース目はポートスタートに挑戦!
上ブイが左にズレたことで、アプローチが1タックで出来るポートスタートのが良さそうで。前のレースのスタート見て。
1人だけスタボースタートでかぶりそうで焦った。

そんな中、レース中も風がどんどんシフトしてたのか、レース中にマークが移動されたり取り替える為に増えたり、今まさに回るべきマークが撤収されてかけて!
タイムアウトか中止なのかと思って回らずにいたら、倒したそのブイを回るんだと、、、それで最終位でDNFに。こうしてこの日は終了。

補足:女子でもスタートでコケた人にからまったり人や、なかなか上マークにタックしない人に、かなり怒鳴ったりする場面があって怖かった。
私も上マークの直前で突っ込んで来られ、目の前でコケルから私も行けず、えぇっと思ったが何も言えなかった。

風が強くても弱くても女子トップはだいたい7分半でフィニッシュ。そこからタイムリミット5分だったので、12.5分内にゴールしないとDNF。

ホットドッグやアイス程度の売店がある、コーヒーは掲示板の所でサービスされてた。
シャワーとトイレはあり。ランチや小腹を満たすものを持参。

ファイナルレースの後、カイト選手からすごい数のプロテストや訂正の申請があったと運営側が書いてた。他の競技に比べても多いという感じで。
(私でさえスタートしたのにしてないとか、ゴールしてないのにしたとかいくつもあったし、少し聞いただけでも他の人も色々訴えてたから、実際多かったのだと思う。)
普通に選手から選手へのプロテストならわかるが、審判への訂正要請も多かったのは、多分スタートやコース内、ゴールの審判が、ルールを理解してないかちゃんと見てないか、審判が足りないか・・・運営側にも課題が残った大会だったと思う。

最終日のメダルレースは、天候と時間の都合で中止になった。
ファイナルレースまでの結果が総合結果となり、私は女子で総合9位。
また、ユースとマスターズというカテゴリーの表彰があり、
私はマスターズWomenで3位となりました。

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