【レポート】第1回フォーミュラーカイト・カイトオープン・ウィングフォイルオープン全日本選手権

第1回フォーミュラーカイト・カイトオープン・ウィングフォイルオープン全日本選手権
  (ワールドマスターズゲームズ2027関西プレレガッタ)大会レポート

 2024年9月5日から8日までの4日間、KBFJと和歌山県セーリング連盟の共同主催で、(5日は計測・機材登録のため競技日は6日からの3日間)和歌山県浜の宮海水浴場と和歌浦湾を舞台にフォーミュラーカイト・カイトオープン・ウィングフォイルオープン各クラスの全日本選手健が開催されました。フォーミュラーカイト5レース、カイトオープン6レース、ウイングフォイルオープン4レースが成立して、唐門紘選手(フォーミュラ-カイト)、奥田彩香選手(カイトオープン)、穴見賢太選手(ウイングフォイルオープン)、小川由美選手(ウイングフォイルオープン女子)らが、日本選手権者のタイトルを獲得しました。

9月6日

 昼過ぎから徐々に上がってきた風がレース海面で6ノットを上回った時点で、フォーミュラーカイト・カイトオープンの選手に出艇の指示が出ました。しかしながら、浜の宮本部前に入る風はまだ弱く、百戦錬磨のフォーミュラーカイトの選手こそスタートしてレース海面に向かうものの、オープンカイトの選手はスタートする事が出来ず、第一、第二レースはフォーミュラーカイトの選手のみでレースが進行し、第三レースのみ鹿嶋選手がスタートに間に合うに留まりました。フォーミュラーカイトは第一レースを三好選手が取るも、第二第三レースを押さえて唐門選手の勝ち越し、オープンカイトは鹿嶋選手がただひとり第三レースをゴールして頭ひとつ飛びだした状態で1日目を終了しました。
 続いてウイングフォイルオープンの選手に出艇指示が出ました。海面には白波が見え始め、このままサーマルウインドが吹き上がってくる事に期待して選手達は続々とレース海面に向かうものの、なんと風は既に下り基調。中には急いで機材を微風シフトに切り換える選手も見られ、その中に穴見知典選手の姿もありました。弱いながらも多くの選手がレース海面にたどり着いたところでレースがスタート。しかしながら、多くの選手はフォイリングを始める事が出来ず、装備と技術に長けた少数の選手だけが走る形で第一レースが進行、徐々に落ちていく風に走り続ける選手も一人また一人と脱落し、最後にフィニッシュラインまで走り続けた穴見知典選手がただ一人フィニッシュラインをカットして、ただ一人得点する形で初日を終了しました。

9月7日
 選手ミーティング後、風待ちの時間を利用して、前日の事例を踏まえた意見交換会が開催されました。これを受け、選手にはスタート前、充分早い時間に出艇指示を出す、スタートの判断には選手がある程度フォイリング出来る状態であることを考慮して判断する、サポート艇によるレース海面への曳航を積極的に行う、などレースをより良いものにするための、すり合わせが行われました。
 この日も徐々に上がってくる風に、フォーミューラーカイト・カイトオープンから出艇指示が出されました。この日はサポート艇の助けもあり、カイトオープンの選手もレース海面までたどり着いていたものの、昨日にも増して不安定で弱めな風に、奥田選手以外はカイトを落としてしまい脱落。全く危なげなく第四、第五レースをこなしたフォーミュラーカイトクラスは、装備のトラブルもあり、調子を崩した三好選手を押さえて唐門選手が2レースとも勝ち越し。カイトオープンは第四レースを奥田選手のみがゴールして、前日との総合で鹿嶋選手と一位タイに並びました。
 レース海面への充分な移動時間を確保するためにカイトのレースが進行しているうちからウイングフォイルクラスには出艇指示が出されましたが、この日、風は終日8ノット(ウイングフォイルクラスを開催出来る最低風速)を越える事はなく、ウイングフォイルクラスの選手は海上で終日待っただけに終わってしまいました。

9月8日
 最終日は未だ1レースしか成立していないウイングフォイルクラスにフォーカスしてレースが準備されました。必要な風速に至る前に出艇指示が出され、サポート艇による曳航も交えながら、ほとんどの選手がレース海面にたどり着く頃に風速が8ノットに到達、第一レースがスタートしました。残念ながら、このレースは途中で風が不安定に落ち、トップを行く数名の選手を除いて全ての選手が止まってしまうという状況に、やむなく途中でキャンセルとなってしまいました。しかし、その後風は順調に上がり、ついに10ノットをマーク、第三から第五レースまで良いコンディションでレースが成立しました。最後にカイトオープンクラスのみ、第6レースが準備され、実力派の後藤選手が、これをトップでまわるものの、なんとこのレースを1位、2位で回った後藤、鹿嶋両選手がまさかの失格という波乱の展開となってしまいました。

 フォーミュラーカイトは最初の1レースのみを落としたものの、後は勝ち越しを積み上げた唐門選手が圧勝のうちに優勝。カイトオープンは奥田選手がカイトオープンで優勝。ウイングフォイルクラスは最終日3レースを全てトップでまわった穴見賢太選手が穴見知典選手をまくって優勝、穴見知典選手が準優勝、ベテラン上野選手が3位、小川選手が女子優勝を獲得しました。

 KBFJとして初めての事業となる、国内初のJSAF公認日本選手権大会です。協賛していただいた企業・個人の皆様方、ご協力いただいた皆様方、共催の和歌山セーリングセンター様、そして、コンディションから最大限のパフォーマンスを引き出してくれた選手の皆様方の助けにより、なんとか無事に開催する事が出来ました。この場を借りて改めて御礼申し上げます。ありがとうございました。

大会映像はこちら(Youtube)をご覧ください

大会結果
フォーミュラカイトクラス
カイトオープンクラス
ウイングフォイルオープンクラス
ウイングフォイルオープンクラスMen/Women

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